未練打ち・・・いや!そうではない。 隣の芝生は青いなどというが、ことパチスロに於いて、特にその気が強くなってしまうのは人間の心理であろう。 爆発台の隣で仮に高設定らしい挙動をしていても、出玉が伴っていなければ不安になるというもの。 この罠を華麗に回避出来てこそ真のプロではないだろうか。しかし「ドさんぴんスロッター」の私は、その心理がおかしな方向へと働いてしまう。 この日EXの取材で伺ったホールは、番長2が大盛況。 至るところから鳴り響く「頂らーっしゅ」「頂らーっしゅ」「まだまだぁー」「絶頂らーっしゅ」・・・。 番長2以外でも「SGらーっしゅ」「デビルらーっしゅ」・・・「激闘乱舞」。 この光景を目にすると「自分もイケるのではないだろうか。ここでは時間の関係で無理でも仕事が終われば・・・」などと思ったが最期。無理にでも夕方からホールへと足が向いてしまうのだ。 「他人が出ているから自分は出ないかも・・・」ではなく「他人が出ているから自分も出る」と、冷静さを微塵も感じられない思考へと至り、気づけばとあるホールの押忍!番長2へと着席していたのが19時。 チョロチョロ打ち散らかし、これでいいやと腹を据えた台で見事に天井RBを拝み、更に追加投資を重ね、瀕死の状態で何とかBB。 このBBの終了時に操様が「頂」と書かれたレガースを私の眼前に蹴りつけてきたワケだが、やっと掴んだ起死回生のチャンスを何とかモノにしようと1G1Gそれなりに気合を入れ消化すると見事に50Gで終了。 心の中では「まだまだぁー」と叫びながらレバーをオンするも台からの声は「右・・・」と。 次ゲームでナビが無かったので、絶望しながら順押しするとベルが揃う。 と・・・次ゲームでチャンス目から引き戻し。 この流れ・・・私は己の何を評価してやれば良いのだろうか。 終了1G目がリプレイであったこと? 2G目にベルを揃え延命出来たこと? 3G目にチャンス目をひけたこと? 答えが「上乗せぐらいしろよ」なのは重々承知している。 引き戻してから10G。 台が壊れた・・・と本気で一瞬感じたソレは、リールがゆっくりと回転を始め、そのまま高速で逆回転。 そう。人生で初の(番長2では)フリーズに出会ったのだ。 正直、嬉しさのあまりに記憶が一瞬飛んだワケだが、ここは冷静に斜めに揃う青7を拝み、CDでしか聞くことのなかった「エンブレム」なる曲を堪能しながら消化。 人間とは単純なもので(・・・いや。私が。)これまでに身を削る投資を強いられていても、この一つで一気に逆転のシナリオが脳内に描かれるのだ。 皆様は初めて「超番長ボーナス」をひいた時のコトを覚えているだろうか? 私は結局、「ここから頂が延々・・・乗せに乗せて・・・いや。とりあえず天国だから次のボーナスはBB・・・出来れば青7だな・・・まずはソコから・・・」などという妄想をデレ顔で浮かべていたワケだが、例の如くドン底へと叩き落される。 ハッキリ言ってしまえば、この妄想が現実になったかもしれなかったのだ! ・・・長針が7と8の間。短針が10と11の間にある時計が現実のもので無ければ。