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日記

偶然③

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にみーさん

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昔話が終わったあとの話


それから、協力してもらえるという立場の逆転現象のお陰で、自分が納得するためだけに色々と聞いた。


そして、疲れた。
と言うより、納得したから現実を受け入れた。
そうなると、もう考える必要なんか無い。


に『んで、今の昔話とさっき驚くのと何の関係があるんですか?』


医「あの時...実はな。『あそこまで刑事さんに突っかかる人、色々と聞く人は珍しいですね。』って思わず言ってしまってな。」

そしたらさ。



~~~


刑「あれから色々こっちが聞かれてな。その時のあの目。彼に嘘は通じない。誤魔化しもまず無理。一字一句見逃さないぞという気持ちが伝わるよ。珍しいよあんな人は。まだ20代そこそこ、職業柄敵には回したくない相手やね。しかも警察は嫌いだとさ(笑)。俺らが頼りなく映るんやろな、彼には。」


医「確かに、ちょっと変わってますね。あそこまで検案調書を細かく読む人や、まして質問する人なんかまずいない。威圧感じゃないけど、あの目で見られるとほんと嫌な感じですよ。そんな顔でこっちを見るなってね(笑)。そんな感じ。」



~~~



に『ちょっと待って、誉め言葉じゃないでしょ?(笑)』


医「まぁ聞きなさい」


医「だからあの時のあの目。多少年月が経っても君の目は忘れないよ。でも良かった。こうしてまたここで話ができた。みんなも元気か?会ってみたいけど止めとくよ。いらんことを思い出させる。全くこの仕事は損やな(^^;」


に『...やっぱりさっきの話は聞かなかったことにします(笑)』


に『損な仕事?そんなことないでしょ。あなたがいたから救われた人もいる。こうしてまた話ができただけで自分は十分満足。道は...何があってもハズしませんよ(笑)。あの刑事さんに会ったら伝えてください。自分みたいな人を救うのもあなたの役目ってね(笑)。』


医「亡くなったよ。一昨年だったかな。もうすぐ定年ってところ。書類上は事故だってさ。」


医「行政で済んだから私まで回ってこなかったよ。」


に『そうですか。自分、警察嫌いなんでいいですけど。でも、あの人は...そうですか。もう一度話してみたかったかな。』


医「あの時、君の指摘に気づき、実際君の言うとおりだったのは驚いたよ。同時に刑事さんは大変やなとも思ったけどね(笑)。」


医「でもな、よく考えや」


医「君は正しいかもしれない。でも全部が全部じゃない。もっと人を頼りなさい。もっと人を信じなさい。じゃないと君が潰れるよ」
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