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日記

クリスマスに祈ったこと

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百連太郎さん

ブロガーランキング:-位
映画を一本だけ選べと言われたら

自分は
「ブラザーサンシスタームーン」を選ぶ


全てを捨て裸の乞食になること
それこそが理想的な生き方かも知れない


なぜなら
これは自分のものだと主張するところに
自分の正義を語るところに争いが生まれるから
何も所有しないことが得ること


聖フランチェスコの物語だが

フランコ・ゼフィレッリは
宗教映画的な作りというより
美しい青春群像劇のように描く


ドノヴァンの歌がこれがまた
美しく素晴らしく泣ける


雪が降る中で
来る日も来る日もたったひとりで裸足で
石をひとつひとつまたひとつと積み上げて
サンダミアノ教会をつくるフランチェスコ


貧しい人にも年老いた人にも病に苦しむ人にも
やさしく声をかけ手を差し伸べ

そんな貧しい人々が
雨風しのいで集える場所としての教会作りであり
一円の金儲けのためでもない


やがて
その志しに共感する若者が集まり
教会が出来上がりめでたしめでたし


というわけにはいかない


人気が出たのを妬ましく思う人がいる
教会は焼き払われ仲間が死んでしまう


フランチェスコは思うのだ
「なぜ人は人を憎むのだろうか?」と


そしてローマ法王に会いに行く
「教えてください
私は間違っているのでしょうか?」


法王は
「貧しいあなたに私たちは恥じる
富と権力の殻に被って大切なものを見失っていた」

と言い
フランチェスコに自分の服を着せてあげ
足元にキスをする


と
簡単にそんな話だが


だからクリスマスと何の関係が?


ディランのログでカットした部分だが

それで何が変わった?
戦争はなくなった?
飢餓貧困はなくなった?
犯罪はなくなった?
いじめや虐待はなくなった?

いったいどれだけの弾を撃てば
どれだけの血を流せば気が済む?


う〜ん…
どんどん過激になってこれも飛びそうだな


よく引きが強い弱いとか言うが

この世に生まれてきただけでも
とてつもなく最高に引きは強い
どれだけ低い確率を引き当てた選ばれし者か


それも今の時代の日本にだ 

もし生まれる国も時代も違ったら
世界でこれまでに悲しい亡くなりかたをした人々の中に自分はいたかも知れない

今も世界中いたるところで苦しむ人々の中に自分はいるかも知れない


満足な医療も受けられず
今日食べるものもなく亡くなる人がたくさんいる


今も世界中で戦争は続く
テロの脅威はどこにでもある
オリンピックで亡命を望む人がいる


あまりテレビは見ないが
この前よく朝のワイドショーでやってたのが
福島県民いじめ問題


たまたま発覚した氷山の一角を話題にしただけで
人々はすぐに忘れてしまうし
ずうっとあることでありこれからもあること


子供たちは大人たちの真似をしているだけだ
自分で何をしているのか分からない


人間は
人より自分が優位に立ち優越感に浸りたい
あら探ししてでも人の弱点や欠点を見つけ出し
それをついて落としめようとする


自分より恵まれている人を見たら羨ましいと思い
それが妬ましい憎たらしいと思う


人間最大の敵は「嫉妬心」だ


戦争を起こすのも
必ず相手の悪いところを探しそれを突き
我々が正義だ平和のために戦うんだと
大義名分を掲げて行なうもの


どちらも正しいのだから始末におえない


経済のために戦争は必要だという人も多い

結局は誰か得をする人がいる
誰も得をしないことは誰もやらない
損得勘定でしか人は動かない


地球の資源財産を
世界のみんなで分け合いましょうとは思わない

何はどっちのものだこっちのものだと
取り合い争うばかり


我々の日常生活の中でも
つまらないことでいがみ合い罵り合い
妬ましく憎たらしく悪口を言ったり
相手を落としめようとしたり
何かを奪い合ったり争いが生まれる


簡単なことなのに

いろんなものを捨ててしまえばいい
人の幸せを自分のことのように喜ぶこと
地球の裏側の子供たちも自分の子供と思うこと
街ですれ違った見知らぬ子供もそう思うこと


クリスマスに祈ったこと


世界平和なんて言うと
それもまた危険な思想の持ち主と
自分は誤解されるかも知れない

偽善者と思われたり言われたりするかも知れない


まぁ
自分は偽善者かも知れないよ


何もできないし
身の回りの小さな世界を変えることも難しい


毎日毎日ただただ来る日も来る日も
日常生活の目の前の自分の現実に追われて
それだけで精一杯のちっぽけな人間だから


あともうひとつ
全く同時期に衝撃を受けた映画が

「時計じかけのオレンジ」

だから自分の中でも
やさしさと弱さと狂気と混乱と…

さまざまなものが同居する不完全な人間だ


世界中の人々みんながhappy  Christmas♪
って言える日はまだまだ遠い


さてと

目の前のちっぽけな現実のために寝よう




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