人間には喜びや感動のようなプラスの感情と嫉妬や憎悪などのマイナスの感情が共存する。 時に人はプラスの感情により幸せを感じる。 逆にマイナスの感情により不幸を感じる。 人は他人の幸せよりも他人の不幸を望む生き物だと何かで聞いた。 確かに他人の幸せを望む人しかいないのならば戦争などおきやしないだろう。 この国もその昔、戦争の元凶となった事実がある。 侵略の歴史である。 しかし開戦当初から経済情勢の悪かった日本は次第に劣勢を強いられる事となる。 戦闘機の燃料どころか鉄さえも不足する始末。 そんな日本が取った戦略は命の爆弾。 それは戦闘機に乗った人間がそのまま敵に突っ込むという人道外れた戦術。 通称『神風』と呼ばれた悪魔の戦術。 この人道から外れた戦術にアメリカ軍は恐怖を感じたという。 何故、このような今から考えれば常識外としか言えない戦術に命を捧げたのだろうか。 鹿児島に神風の出発点であった知覧という場所がある。 そこには神風で命を落とした人達の最期のメッセージや遺書が残されている。 歳でいうと17歳から30歳くらいまでの人達がほとんどだ。 その最期の言葉にはほとんどの人が愛する者のためと記されている。 母親であったり、恋人であったり、子どもであったり。 今の僕らにそれが出来るかと問われると、無理だろう。 それでもその時代には自分の命と引き換えにアメリカを倒せば日本は浮上するという信念があったのだ。 その人達の命が僕らを生んだかと問われればそれも違う。 でもその歴史の事実を知って僕らは二度と同じ過ちを繰り返してはいけないと学ぶ事が出来る。 結果としては彼らの命がこの国を救っているのではないかと思う。 戦争で幸せになれる者などいないのだ。 そして僕らは過去の過ちを胸に刻んで生き続ける義務がある。 人の不幸を望んで起きた戦争で人の幸せを望んで散っていった命がある。 僕らの命は先人の歴史により造られたものなのだ。 だからこそ生きて幸せになる義務があるのだと思います。 また夏が来た、そして夏が来る度薄れていく記憶と蘇る記憶。 人生で夏は多くて百回も迎えられない事を胸に刻んで今年も夏を迎えたいと思います。