テンカラは、職漁師がテンポ良く、食べ頃サイズの渓魚を釣る為に用いられた釣法です。 これは、私の渓流釣りログで何度か、お話ししてますねぇ。 餌釣りで釣り上がるよりも速く、凡そ餌釣りの2倍~3倍の速さで釣り上がりと言うより、釣り上がれる釣りです。 私のテンカラは、比較的に釣り上がる速さは遅い方ですが、私自身が餌釣りで釣り上がる速さと比較したら、やはり2倍以上の速さで釣り上がれます。 テンカラは、餌釣りと比較した場合、渓魚との勝負が早いんです。 この『勝負が早い』と言う意味が分からないと思いますので、説明したいと思います。 餌釣りは、流す筋(流れの事、レーン)を流す時に、先ずは底から流して行くのがセオリーで、次に中層、その次に表層と、流す層を変えて探らなければ成りません。 それに流す筋も、流芯の横のヨレ、流芯、岸際(本命の流芯の横を流す前に、立ち位置側の岸際を探るのは、他の釣りでもセオリーで、ここでは対岸の岸際を指します)と、流す筋と層とで、最低、9通り流してみる必要が有り、時間が掛かるのです。 対してテンカラは、基本的に表層(水面直下)を向いてるやる気が有る渓魚だけを、テンポ良く釣って行くのが基本。 なので、基本的に流す筋を探って行くので、結果としと餌釣りより、テンポ良く釣り上がれるんです。 勿論、渓魚の活性が悪い場合には、毛鉤を流れの筋に送り込み、沈めて流す事もしますし、場合に依っては、ビーズヘッド毛鉤、ハリスに餌釣りのガン玉(錘)を咬ませて深く沈めて探る事も有ります。 が、餌釣りの様に、しつこく6回とか7回とか流す事は基本的にはしないです。 (本流や大きな河川では、本命は3投目くらいに成りますけど、それはポイントが大きく広いから、渓魚は毛鉤に気付き難いからです) 理由は、しつこく毛鉤を流す事で、渓魚が毛鉤を餌では無いと見切られる可能性が高く成るからです。 キャストしてる最中の空中に毛鉤有る時に既に、水中に居る渓魚は毛鉤に気付いてる事も有ります。 (餌か毛鉤かは、空中に毛鉤が有る時点では判断し兼ねてて、水面に落ちたら、取り合えず喰えに来る) 毛鉤が水面に落ちた瞬間に、バシャッと襲い掛かって来る事も有るので、勝負が早いんです。 何回か流して反応が無い場合には、そこに渓魚が居ないか、毛鉤を餌としては見てなく見切られてるのどちらかかと思います。 (活性が低い場合には、定置場所から離れるのを嫌うので、流す筋が、ほんの数㎝ズレてると全く反応しない場合も有ります) と言う理由で、テンカラは勝負が早いんです。 で、私はどちらかと言うと、のんびり、ゆっくりと釣り上がりたい方です。 なので、私のテンカラの釣り上がる速さは遅いです。 とは言え、餌釣りの人よりは速いです。 1つのポイントに粘る事も有ります。 が、何回か流して反応が無い場合には、少し下流に下がり、15分程度、ポイントを休ませる事をします。 理由は、しつこく流す事で、毛鉤が見切られてしまうからです。 そうそう、休ませた後のポイントに毛鉤を打つ時には『真逆』な毛鉤を使う様にしています。 白っぽい毛鉤を使っていたなら『黒っぽい毛鉤』に交換。 水面や水面直下を流す毛鉤を使っていたら、ビーズヘッド等の毛鉤の『深く沈めて流す毛鉤』に交換。 どちらかの『真逆』な事をやってみる。 ここで気を付けなければ成らないのは、真逆な事を『両方をいっぺんにやらない』事です。 どちらか片方づつ試す事が大事です。 片方づつやってみても反応が無いなら、そこに渓魚が居たとしても釣る事は、まず出来ませんので、このポイントは潔く諦める。 (これは自然河川での事ですので、管理釣り場とは混同しちゃ駄目です) (大井川等の自然河川で、放流をしてない特殊な管理釣り場は除外です) 私は、のんびり釣り上がり、あの手この手を品を代えて渓魚と勝負する事が好きです。 テンポ良く釣り上がれる釣りだけど、あっさりとポイントを諦めてたら、ホームの渓では渓魚をキャッチする事は出来ないです。 渓魚が居る区間、定置出来る区間も少ない事も要因してますし、私が小さなポイントを見逃してるのも要因してると思います。 それを補う為に、私は敢えて、速く釣り上がれるテンカラだけど、意識して、ゆっくりと釣り上がってます。 因みに、昨年に桃源郷に一緒に行った静岡の釣り仲間は、私の3倍程の速さで釣り上がってますが、これは標準的な速さかと思います? ちょっとした考え方、やり方の違いでも、釣り上がるスピードが違って来ますし、静岡の釣り仲間は、ポイントを見切るのも早いです。 静岡の釣り仲間は、自身のテンカラを確立してるので、ちょっとしか見れなかったけど参考に成りました。 ただ、スタイルが違い過ぎるので、静岡の釣り仲間のテンカラを真似ようとは思いません。 私は、どちらかと言うと伝承系のテンカラをしています。 (ラインは、フロロカーボンのレベルラインを使ってはいますが) 対して静岡の釣り仲間は、独創的で、ドラテンに近いテンカラをしてるので、今の私には真似が出来ない。 見てて、本来に独創的で面白いテンカラだと思いました。 毛鉤を打ったら、毛鉤を止めて、毛鉤を水面に吹き上がる様に留めるやり方の独特なテンカラです。 私は、石垣さんのテンカラをベースに、伝承系のテンカラを現在していて、今は、それに自分色に色付けしてる最中です。 目指してるのは、吉田さんの様な、自由で柔軟なフリースタイルなテンカラです。 だけど、吉田さんのテンカラを、完全コピーしよう、したいとは思ってないです。 (吉田さんのテンカラって、実際、どんななのか分からないですけどね) テンカラは、テンカラー。 (^^;