ずっと前に にすっぴんにTシャツ、ジャージで行ったことがある。 どの台が何で、どういうタイプかも知らなかった頃 とりあえず座ったのが海だった。海にもいろいろあるけど、どういう海かもわからず、まず座った。 そしたら隣に座ってた 恰幅のいい作業服きた、土木系の仕事をしてると思われるオジサンが私に 以下東北弁 オジサン「オメ、金欲しくてこごさ来たのが?」 私「…」 オジサン「小遣いもらえねのが?」 私「…」 オジサン「こごはよ、ワラスの来るどごでねがら、オジチャン、オメさ金けるがら、黙って家さ帰れ」 (注釈:ここは子供の来る所ではないから、私があなたにお金をあげるから、黙って家に帰りなさい) そういうと オジサンは胸のポケットの内側から、しわくちゃになった千円札を出して、私に「ほれ!」と言った。 私は成人してることを打ち明けるかどうか、すごく困った。 というのは あまりにオジサンが、本当に私を心配してくれてるのが明白だったし、あまりに目が真剣だった。 成人してる、なんて言ったら、このオジサンはメチャクチャばつが悪くて、私にお詫びすることが、とてもカッコ悪いことに思えた。 こんだけ真剣だから 仕方ないので、私は未成年のふりをした。 私「お小遣いはあるからいい。ありがとう、オジチャン」 と頭を下げて を出た。 オジサンは心配そうに「いいがら、金もってげ!」と何回も言ったが、私はもう、あまりここにいたくなかった。 未成年に間違われたのは、ちょっとムカついたけど、オジサンを笑い者にしたくないのと、でもウケるのと、不良少女を少し更正させた気でいる得意気なオジサンと、事実と いろんなことが混ざりあい、車の中に戻って、つい自分で笑ってしまった。 何が言いたかったか 東北には、こんなにも他人を思いやる優しい人がいるっていうこと むざむざ未成年になりすました私の気持ちもわかって欲しいこと 暇潰しになればいいと思って ではまた