彼女とは幼なじみと言うのか… おじいちゃん同士が従弟と言う 遠ーい親戚 彼女とは同い年、名字も一緒 小学生の頃は身長体重も 一緒だった 違ったのは私の方が格段に 成績がいいこと 通知表を見るたびに嫌みを言い 僻む彼女 意地悪で僻みぽくって… 小学生の頃の私は彼女が 大嫌いだった それでも、毎朝迎えに来るので 一緒にに行っていた 中学になって、やっと縁が切れる と思っていた 私の中学時代はが荒れてた時代 私の通う中学も有名な荒れた中学 彼女はその中でも1番のスケ番に なった 私の友達からもカツアゲして 私が取り返しに行く 「あの子のお金返して」 「ごめんごめん ココアの友達だったの?」 友達にお金を返すと 「友達なの?怖くないの」 怖いわけがない 本当は弱いんだもの… 髪の毛をキンキンにして スカート引きずる位長くして 化粧して 虚勢張ってないとダメな奴 中学になってからだって ひとりで美容院にも行けなくて 「ココア~美容院付き合って」と しょっちゅう言って来た 私が部活を終えて帰って来ると 良く公園でタバコ吸ってた彼女 「ココア~~ジュース飲まない?」 彼女はタバコを吸いながら 根性焼き(知ってますかね?タバコを自分の手とかに押し付けるの)をしていて 「ココアもやってみる?」 やるわけがない やる意味がわかんない 「私はそんなことで根性試したくないからあんたもやめなよ」 だから、私は中学にあんまりいい思い出がない 先生はいつも不良に振り回されていて、窓ガラスは割れ放題 火災報知器もしょっちゅう 鳴っていた 先輩と目が合うだけで 「ジロジロ見てんじゃねーよ」とか 言われた 高校生になり、彼女とは会うことはなくなった たまに駅で会うと 必ず、手の甲に絆創膏かリストバンド 「根性焼きの痕が恥ずかしくて 仕方がない… ココアの言う通りだった…」 彼女は20歳で中学の同級生 (この人も筋金入りの不良だった)と結婚して、すぐ子供を産んだ そして、母ちゃん達の面倒は 私が見ると言って 3人兄弟の末っ子だったが 実家に入った 結婚して、子供を産んだ彼女は 私の知っている彼女じゃなかった 子供にはとても厳しい でも、愛ある厳しさ 「この子達には自分のようになって欲しくない」と良く言っていた 3年前… そんな彼女が入院したと 母から聞いた お見舞いに行くと想像以上に 弱ってる彼女がいた でも、私に泣き言はひとつも 言わなかった そして… 数ヶ月後…彼女は旅立った お葬式は中学の同級生が 沢山来ていた 私以外はみんな元不良 みんなで泣いた そして…昔話になり 「ココアが先輩に目をつけられてて 自分の幼なじみだから、許して下さいって、彼女が先輩に頭を下げたんだよね」 そんな話知らない 聞いてない… そうか…あの時「ジロジロ見てんじゃねーよ」って言われた先輩だ 守ってくれたんだ… どーして、その時言ってくれなかったのよ ありがとうも言えないじゃない… 彼女はひとりで天国に行けたかな… 行けたよね もうひとりで美容院に行けない 彼女じゃないもの