第一部 《紹介と疑問提示》 昔昔あるところに…。一寸ののらにもちっぽけな魂を奮い立たせ、パチ&スロに勤しむ猫がおりました。 猫は勝ち負けを意識しても、楽しむ気持ちを忘れませんでした。勝つことそれ自体を最大の楽しみとしながらも、勝てなくても楽しむことが至極当然と、そう伺わせる猫でした。 猫は雨の日も風の日も猫端会議にも行かず、せっせと稼働させていました。 パチ&スロが好きでした。 猫には疑問がありました。 にゃ? 『険悪なムードが至るところに。あの猫も、この猫も全然楽しそうじゃない、にゃ。』 取って付けたように、にゃと言いました。ぷぷっ。 それはそのはず。 あの猫は、すでに有余る玉を別積みしていて、今も確変中。 にもかかわらず、肉球で台を豪打し、奇声(みぎゃー、ふんぎゃぁж△×○*、みたいなの)もあいまって、周りの猫は臨戦態勢でした。 この猫は、今も投資しっぱなしで負けこんでいる様子。 その態度やいかに。台に頬杖を突き、レバーオンからボタンまで、もう完全に作業化していました。 いつも猫は、打っている台に好きなところを見つけるのです。 ときに。スペック、性能に…。 ときに。激熱、プレミアを含む、演出に…。 ときに。その台の状態に…。 ときに。技術介入による満足感や勝ちへのこだわりに…。 猫がもつのは、徹底した勝ち意識、ではなく、楽しさを追う意識。 猫だってもちろん勝てば結局楽しめるのです。 ですが…………。 大変に長くなりました。 つづきます。