新聞配達に人生を捧げた男! この話しは俺の住んでる地域では有名な話しである 今は知る人もめっきり少なくなったが ふと思い出したから書いてみるよ! 俺が小中学生の頃の話しだ 新聞配達に人生を捧げた男 この人を地域の人は いっちゃん(仮称)と呼んでいたよ! いっちゃんは身長が140センチ位の小柄な人で 歳は40歳代 顔は真っ黒に日焼けして 40歳代なのに腰が少し曲がっていて老けてたよ そして少しだけど知恵遅れだった いっちゃんは自分の親がやっている新聞店の配達員 何歳から新聞配達をやらされていたかは定かではないが 多分10代からだと思う いっちゃんの配達手段は 徒歩! ただひたすら歩いて配達する 1日20キロ位歩いていただろう 足が悪い(病気)から 足を引きずりながらね! そして 今は休みがあるが 昔は新聞配達に休みなんかなかった 年中無休だったよ いっちゃんは! 驚いたことに 皆様信じられないかもしれないけど 真冬でも長靴ははいてなかった! たんぐつ(ゴム製のズック)だったのだ そしてゴム製のカッパにズボン わらの帽子 大雪が降れば裸足とほとんど同じ 可哀想ないっちゃん 御飯も1日1食しか食べさせてもらえないという噂があった! 俺の親はいっちゃんがくると たまにタバコやお菓子を与えていた 鼻水を垂らしながら嬉しそうないっちゃん そして 足いででばあ足いででばあ(足が痛い足が悪い) と半泣き顔で訴える! いっちゃんを! 俺はよく覚えているよ 冬場半泣きしながら足をひきずって新聞配達してるのを 数えきれないほど見た俺 助けてあげられなくてごめんよ、いっちゃん! うううっ(泣) そしていっちゃんは新聞配達を 晴れの日も 曇りの日も 雨の日も 猛暑の日も 強風の日も 大雪の日も 吹雪の日も ひたすら新聞配達を続けた 足を引きずりながら! どんなに体調が悪くても 休むことは許されなかったみたいだ (親に聞いた話) そして ついに いっちゃんは体調を崩してそのまま帰らぬ人となった! 享年50数歳で天に召された! いっちゃん 可哀想ないっちゃん!(泣)(泣) 人生のほとんどを新聞配達に捧げたいっちゃん! 恋愛も遊びも酒もなあ~~んにも楽しいことを 経験せずに逝ったいっちゃん! いったい いっちゃんの人生での幸せってなんだったのかなあ?? ふと考える! きっと 配達先の家でタバコやお菓子をもらってる時が いっちゃんの唯一の幸せだったのかもしれない! ううう(泣)っ ううう(泣)っ 書いてて本当に泣けてきたよ本当に! (本当は涙もろい俺) でも いっちゃん! 君は日本一の いや世界中の新聞配達員だったよ! いっちゃんは きっと天国でも新聞配達をしてるに違いない! 履けなかった長靴を履いてね! 最後までお付き合いいただき本当にありがとうございますm(__)m おしまい いつの世も鬼親はいる! ふざけんなこのやろう