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日記

言葉より温もりを

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ぴぴっぴぴぴさん

ブロガーランキング:9位
キンモクセイの香りのする夜道


人様に紹介出来るような両親はいない
そう伝え…


これまでの経緯を話した


彼は繋いだ手を強く握り
しばらく黙った


近くに居て救いたかった
親の事は関係ない


静かに呟いて
お互いから言葉は消えた


あれから、何年過ぎただろう


両親の事が頭をよぎる日が来た


相手のご両親への挨拶


うちの両親の質問されたらなんと答えたら良いんだろう?
理解出来る話ではないし
出来ればしたくない
しない方が良いのだろうか…


会う事も会わせる事もしたくはない
とうすれば…?


相談しても答えは出ず
なんとかなると…


『万が一ダメなら駆け落ちするさ
かっさらう
けど…うちの両親はそんなの気にしないと思う
話さなければいい』


そんな会話をしながらも
きっと悩んでたんだ…


どう紹介するか?


婚約してしばらくの時間が過ぎ


一度目 ご両親不在
二度目だった


電話で前もって予定を聞いてる風でもなく
取るだけの荷物を取りに?


取るものを取って
車に向かおうとする


両親との会話はほとんど無かった


お母さんお父さんは
玄関先に挨拶に出てきてくれているのに…


状況に驚いたけど自己紹介だけはした
お土産の野菜を頂いた


車に乗り込み帰宅


ほぼ無言
家につき話しかけた


『良いご両親だね…
やっぱりさ 帰るよ…私にあった場所に』


迷惑はかけたくない
ご両親との間がおかしくなる原因になるなら
居たくない


『…嫌だ ごめん 本当にごめん』


強く強く抱き締められて
苦しくて
我慢が効かなくなった


大声で泣いた


顔も目も見れなくて
心臓の音が耳に届いて拍車をかけた


いろんな事を思い出す


『俺…大好きだから 愛してる 
ずっと…一緒に居る ずっと』


顔を上げたら泣いてた…


初めて見た
泣く彼を


苦しくて
苦しくて…


ほっぺたつねった
彼も同じことをした


その言葉にどう答えて良いのか分からなくて


『もう良いよ…ありがとう
分かったから』
ただただ泣いた


気付いたら
朝だった


いつものようにお弁当を作り送り出す


『早く帰ってくる』



『行ってらっしゃい 気を付けてね』



昨日の会話はもう無かった


越えなきゃならない壁の意味をお互いが実感した日…


お父さん
お母さん


あなた達を憎んだ日が人生の大半を閉める
けど…やはり親は親で


縁を切っても
奥底では愛した 叶わなくても


今、愛する人が存在に苦しんでる
意思を理解し、半分を背負ったんだ


お父さん
お母さん


人生をかけて
あなた達を吸収しようと思います


守りたい大切な家族が出来たから



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