本日分の投稿です パチンコホールで捕まえて・9 ぎこちなく首を回す。 果たして、そこには。 やはり、俺の女神が立っていた。 いつも通り、可愛らしく首を傾げて立っている。 サングラス越しなので、暗くて顔がよく見えないのが欝陶しい。 しかし、これは変装用のサングラスなので外す訳にはいかない。 そうだ。変装だ。 俺は今変装してるじゃないか! 何故俺だと分かった!? 軽くパニック状態に陥りかけたが、サングラスをかけただけの変装なので見破られたのかもしれないし。 彼女の事なので、全く気付かずに声をかけて来た可能性もある。 今はそんな事は問題じゃない。 『コーヒーを買うか、買わないか』だ。 俺がすっかり固まっていると、彼女がもう一度問い掛けてきた。 「コーヒーはいかがですか?」 100万ドルの笑顔にぐらっとする。 思わず財布を出そうとしていた。 が、慌て財布をしまう。 今日の実験は、あくまで『彼女の居る日にホールに行くが、彼女からコーヒーは買わない』という物だ。 ここでコーヒーを買ってしまったら実験は成立しない。 「い……いりません……」 俺には、消え入りそうな声でそう呟くのが精一杯だった。 彼女の顔を見る事すら出来なかった。 心臓がズキズキ痛んだが、俺はその後も確変が続き、気付けば10連チャンしていた。 Next⇒