一本の匿名の電話が救った大切な命
「生後1ヶ月の男児、車内に放置・・・匿名男性からの一本の電話、スタッフの対応」
概要
7月6日、大分県のパチンコホール「グランドタイホー」にて、下記のように幼児の車内置き去りが発生したが同ホール店長等の迅速かつ適切な措置により、大事に至らず幼児は無事救出された。
発生日時 | 平成20年7月6日(日) 12時30分 |
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天候 | 曇り |
発生時の気温 | 32.2度 |
発生場所 | 大分県別府市北浜町2丁目1-24 グランドタイホー 駐車場 |
「グランドタイホー」に、匿名の男性から「駐車場の車の中に幼児が置き去りにされている。」との通報があった。
直ちに、店内放送を行うとともに、店長などスタッフが手分けして、2階建ての立体駐車場の全車の目視検索が行われた。
通報から5分位後に、1階に止めてある黒色スモークフィルムを張った普通自動車の運転席後部座席のチャイルドシートに寝かされていた幼児(生後1か月の男児)を店長が発見。
店内放送で保護者の呼び出しを行ったが、保護者が名乗り出て来ないため、スタッフが、手分けして来店客一人ひとりに確認して回るとともに、所轄の別府警察署に通報し、車両ナンバーから所有者の割り出しが行われた。
一方、運転席と助手席の窓ガラスが5センチほど開けられた車内に閉じ込められていた幼児は、汗をビッショリかきぐったりしてたが、スタッフらが窓をたたいて呼びかけると、かすかに動き生存が確認できた。
スタッフらは、両方の窓から「うちわ」で必死に風を送った。
その後、スタッフが5センチの隙間から、機材を使用してドアを開けて、幼児は発見から約25分後助け出された。救出後も、おしぼりで汗を拭いたり、濡れたおしぼりで体温を下げるなどの応急措置を施し、生命に別条は無かった。
幼児保護からさらに30分後、パチンコに興じていた保護者(それぞれ20歳)の夫婦が判明。現場で事情聴取した警察官(幼児救出5分後到着)に対し、妻は「パチンコをしている夫の後を追いかけ今、店に来たところです。」と申したてたが、後でモニターで確認したところ、10時の開店時から夫婦で来ていたことが判明した。警察は、後日、夫婦を呼び出し、再聴取を行う予定。
緊急取材
当サイト編集部では、今回の事件発生後、迅速かつ適切な対応をし、一人の尊い命を救った「グランドタイホー」様にインタビューを行いました。
- ― 非常に迅速なご対応で子供の命が救われた訳ですが、日頃よりスタッフの方々へのご指導は行っていたのでしょうか?
- はい。
先日、組合内での講習会にて県警の方々の指導を受けた直後だったことと、各組合や通達による指導内容を参考にさせていただいているので、その内容を忠実に守っていた成果だと思います。
特別な指導などは行っておりません。 - ─ 発見時の現場の状況を詳しくお聞かせ願えないでしょうか?
- 発見時車両は施錠されている状態でしたが、助手席の窓ガラスが若干開いていたので、生命の危機に関係すると判断し開錠にいたりました。
その後、後部座席、子供側のドアを開け、うちわで風をおくり、おしぼりで子供の汗を拭く処置を行いました。
しばらくして、所轄の方が到着し子供の親が確認できたので、厳重注意をしていただきました。 - ─ グランドタイホー様での今後の対応・対策などはどのようにお考えでしょうか?
- 定期的に駐車場や店内を巡回は従来通りですが、夏場に伴い監視回数をこまめに増やしたいと考えています。また、車両内部まで確認したいと思います。
なお、店内放送だけではお客様は聞いていない事が多いので、トラブルの際には、お客様にお車でのご来店か、否かの直接確認を行う事が効果的だと思います。
私たちはお客様とのコミュニケーションを日々行っているので迅速に対応できたと思っております。 - ─ グランドタイホー様から一般ユーザー様へ向けたメッセージをお願いします。
- 大人が思う以上に、短時間であってもお子様を車内におかれたままその場を離れることはとても危険です。
今回は日陰であったにも関わらず、私達もかなりの暑さを感じましたので常に必ずお子様と一緒に行動していただけることを切に願います。
-後記-
今回の事件で最悪の結果を招かずに済んだのは、スタッフの迅速な対応もありますが、 匿名男性による一本の電話連絡があったからこそでもあります。
こういったケースで、車の窓ガラスを破り人命救助を優先した場合は器物破損などの 罪に問われません。見て見ぬふりだけは絶対にしないで下さい!皆さんのご協力をお願いします。
- 民法民法 第七百二十条(正当防衛及び緊急避難)
- 他人の不法行為に対し、自己又は第三者の権利又は法律上保護される利益を防衛するため、やむを得ず加害行為をした者は、損害賠償の責任を負わない。
ただし、被害者から不法行為をした者に対する損害賠償の請求を妨げない。
前項の規定は、他人の物から生じた急迫の危難を避けるためその物を損傷した場合について準用する。