子供の放置は刑法で裁かれる

子供の放置は刑法で裁かれる

保護者が子供を放置し、その結果、怪我や病気もしくは死に至った場合、刑法の「保護責任者遺棄致死罪」や「重過失致死罪」で、厳しく罰せられます。


  • 「保護責任者遺棄致死罪」は、責任を放棄して死に至らしめた場合。
  • 「重過失致死罪」は、過って死に至らしめた場合。

過去の事例

2005年8月岩手県一関市で、パチンコ屋の駐車場の車内に生後6ヶ月の長女を3時間置き去りにし熱射病で死亡。この子の親は、保護責任者遺棄致死罪に問われましたが、重過失致死罪で、禁固1年8月、執行猶予5年(求刑禁固2年)の判決を2005年11月に受けました。


2006年5月、愛知県豊明市で、パチンコ店駐車場の車内に生後2ヶ月の長男を約5時間放置し死亡。この子の親は、保護責任者遺棄致死罪に問われましたが、重過失致死罪で、禁固1年6月、執行猶予3年(求刑懲役3年)の判決を2007年7月に受けました。


「保護責任者遺棄致死罪」が課せられるのか、「重過失致死罪」が課せられるのかの違いは、その場の状況や子供の年齢などによって変わるようですが、犠牲になる子供たちのことを思うと、法の整備が必要ではないかと思われます。

【刑法第30章 保護責任者遺棄致死罪 第218条】
老年者、幼年者、身体障害者又は病者を保護する責任のある者がこれらの者を遺棄し、又はその生存に必要な保護をしなかったときは、3ヶ月以上5年以下の懲役に処する。
【刑法第28章 過失傷害の罪 第211条後段 重過失致死】
5年以下の懲役、5年以下の禁錮、50万円以下の罰金

子供を救うためには車を壊してもやむなし

子供を救出するために車などを壊さざるを得ない場合、その行為は法律によって保護されます。

【刑法 第7章 犯罪の不成立及び減免 第37条】
自己又は他人の生命、身体、自由又は財産に対する現在の危難を避けるため、やむを得ずにした行為は、これによって生じた害が避けようとした害の程度を超えなかった場合に限り、罰しない。ただし、その程度を超えた行為は、情状により、その刑を減軽し、又は免除することができる。

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