もうどれくらいの時間を貴方と過ごしてきただろう。 初めて出会った時、私は貴方に然程興味を持たず会話もそこそこだった。 自分に自信のあった貴方は、そんな私の興味の無さに悔しくなり、貴方の方からグイグイきたのは今じゃとっても懐かしいね。 (コレでどうだ!? ん? どうなんだ?) 私を落としに掛かるに必死な貴方の心、私しっかり分かってたのよ。 そんな必死な貴方の姿を見ていたら何だか可愛く思えてきて、私はどんどん貴方に惹かれていった。 そして、私達はその日の内に結ばれた──。 気持ち良かった。 貴方が私を必死になって快楽へと導こうとし、また私はそれをしっかりと受け入れ……感じていた。 今思えばあの時あの瞬間、私はすっかり貴方の魅力に取り憑かれていたのね。 そこからはもう貴方の思う壺だった。 私はもっともっと貴方を知りたくなり、貴方に会いに行き、また貴方に質問攻めなんかをしたね。 一度嵌ると、全てを知りたくなる私だから、貴方の過去や思っている事、今感じてる事全てを洗いざらい聞き、調べたりした……。 しつこかったと思う。 そこは反省してる。ごめんね。 でも、私は貴方の事が好きで好きで堪らなかったんだ……。 そして──。 いつからだろう。貴方が私に冷たくなったのは。 分かってた。なんとなく。 貴方はもう私に興味がないんだって事。 遊ばれてるんだって……。 私がもう無理……と、諦めようとすると優しくし、その優しさに甘えまたアタックすると冷たくする。 そして私はまた無理……ってね。 私だってバカじゃない。 そんな事分かってる。 分かってるのに……分かってるのに、何処かで私はまだ認めたくない。 貴方は私の事が好きなのだけど、恥ずかしがってるだけ。本当は貴方も私の事……。 そう思い込み、自分を励まし、私はまた貴方に会いに行く──。 ○月△日 ××曜日。 この日も私は貴方に会いに行った。 最近は私も貴方の冷たさに心が折れ、会いに行く頻度が減ったね。 それでもやっぱり貴方が好きで私こうして会いに行ってしまうのだけど……。 そして、久々に会いに来た私を貴方もまずは快く受け入れてくれた。
や、優しい。
と、思ったのも束の間。即座に冷たくなる貴方。 私の事を全力でスルー。 しまいには、私に罵声までを浴びせ始めた。
(養分! ようぶぅーん!) それでも私は諦めない。 久々に会いに来たからにはキスくらいはしたい。 私の今日の目標は貴方とのキスなのだ。 出来れば濃厚なのが希望だけど、この際そんなワガママは言わない。 してくれさえすれば……!
(ワルプル……キス?)
……当然のように素っ気ないキスだった。 人間と言うのは欲深い。 ほんのさっきまでキスできればそれだけで満足と思っていたにも関わらず、今度はもうちょっと濃厚なのを……っと、求めてしまうのだ。 この日の私もまさにそれ。 私は本日の目標を達成したにも関わらず、貴方へのアピールの手は全くもって止まらなかった。 「もう一度……もう一度……お願い」 そうアピールする私に貴方は何度も諦めさせては、期待を持たせた。
(終わり……?)
(と、思ったら2セット目!)
(からの、救済ワンセット)
(引き戻しぃ!) それでも、軽くチュッくらいさえも貴方は許してくれなかったね。(ワルプル……キス? ゼロ!) 「……もう、無理。 キスは愚か、貴方はまた全力のスルーを決め込むんだもの。 今日はもう諦めよう。今日はもうキスなんか無理」 そんな私の心を分かって貴方は……
あわあわあわあわあわあわ──! あっ……! あっ! あっ……! こ、これは……! ここここ、これは……! そ、そんなデレなくても……! そ、そこまでデレなくても……! 怖い。この後の貴方が私は怖い……! 待って、ねぇ、待って……! ちょ、ちょっと落ち着くから……! はぁはぁはぁ…….。 や、やっぱり貴方ってば、最こ……!
……うん。そんな甘くないよね。知ってたよ。 うんうん。 それでも、私はいい。いいの……。 こんなに興奮したのはいつぶりだろう。 こんななって貴方を手に入れられるかも知れないとリアルに感じ興奮したの、本当どれくらいぶりなんだろうか。 手に入れられてもないのに、この興奮。 このドキドキ。 私はやっぱり貴方に首ったけ。まだまだ貴方を忘れられそうにない。 いや、忘れられるわけがない。 狂おしい程、貴方が愛しい──。 いつか必ず、また心から結ばれるその日まで……私は貴方を諦めない。 投資 6.5k (5スロ) 回収 1.8k 収支 -4.7k (C)Magica Quartet/Aniplex・Madoka Partners・MBS (C)UNIVERSAL ENTERTAINMENT