4号機後期(2003~)アリストクラートの真骨頂「小役連」

2002年の暮。大ヒットとなる台をリリースします。

それが「巨人の星」です。


■巨人の星

1966年から描かれた漫画とのタイアップ機。

BタイプのST機でゲーム数消化かリプレイ4連でボーナス放出となります。リプレイ3連で抽選される「特訓モード」に当選するとリプレイ4連をナビ。「特訓モード」とRTによる解除の連鎖で出玉を増やしていく台です。

また、液晶搭載が当たり前になりつつあった当時、敢えて液晶を搭載せずメイン3リールの両脇に演出用の4TH・5THリールを搭載するといった見た目にも異端な台でした。

押し順管理のリプレイはいつでも自力当選の可能性があり常にダレを感じず、リプレイを積極的に引き込む事でもドキドキ。

演出も画期的で、じわじわアツい演出用リールとの絡みはユーザーを虜にしました。停止タイミングやナビ役でアツさが変わる「ちゃぶ台」や「レバーONうふふ」はもはや芸術的で絶妙なアツさ。かと言っていきなり1確ズドン!!のサプライズもあったりと、とにかくバランスが絶妙でした。自力リプ4時の「や~りおった!!」は当時のパチスロ流行語大賞(んなもんないけど)ですよね。

128G以内のRT選択が約60%で連チャン性もあり、「RTが64G以内ならばが特訓が当選していても潜伏する」という親切システムで連鎖を誘発します。前兆が特訓なのかRTなのかドキドキですよ。

当時は原作の内容は知らないものの、テレビの「懐かしアニメ特番」なんかで存在自体は知っていましたね。

リリース当初は設置はそこまで多くなかったが、面白いというユーザーの声と高稼働に期待できるという事でじわじわ増えていった印象です。

パネルも最初の「飛雄馬Ver.」から当時18年ぶりにセ・リーグ優勝した「阪神優勝Ver.」原作で中日ドラゴンズの監督となった「一徹Ver.」大洋ホエールズのライバルの「左門Ver.」と今では当たり前の「同一機種ながら複数のパネルパターンを持つマシン」の元祖となりました。

辛めのスペックだったのでオール5・6イベント等やパネル対抗イベントを開催してましたね。

攻略要素も多く、清算機能を使った設定変更判別や設定変更でもRT数を持ち越すので、宵越し狙いが非常に効果的でした。

プロからサラリーマンの方まで様々な人が打っていた、紛れもない名機で、その後も数多くシリーズ化されている事からも人気の高さが伺えますね。

■マッハゴーゴーゴー
その後、巨人の星を継承、発展させた「マッハゴーゴーゴー」をリリース。

1967年から放送されたアニメとのタイアップですね。こちらも知ってはいるけど見たことはないアニメでした。

マッハはメイン小役である「カップ」が3連すると1/2でボーナスを放出。主にチャンス目で抽選されるAT機能「GOGOTIME」とボーナスでコインを増やしていくゲーム性です。液晶になっても演出面はさすがの一言。草原ステージ移行(本前兆示唆)や巨人の星の明子に相当する「くりお&エテ公」がいい味を出していました。

またサウンドが好きでBIG中におけるオープニングテーマのアレンジが耳に残っております。GTは基本的に1セット30or50Gで連チャン性あり。ATの途中でカップ3連→ボーナスとなってもゲーム数は持ち越すので1度のGTで複数のボーナスを放出する事もありました。またSTによる放出も128G以内で50%以上あった為、ATとの絡みで一撃の破壊力もありました。

攻略面においても、ちょっと得する「ウイニングラン演出」待ちやREG時の「ビタ押し」等の小技もありました。通常時のチェリー2連でATが確定するおまけ要素は当時としては非常に珍しいものでした。AT高確率へは主にBIG時に移行する為、ハマり台狙いが非常に効果的でした。

その為か、攻略時の割り的にはかなり甘かった印象で、巨人の星同様、設定変更でもRT持ち越しが効いたのでよく打ってましたね。この頃がハイエナ全盛期であったと思います。下見さえしていれば打つ台に困ることはありませんでした。

■だるま猫
攻略の波に飲まれた「猫de小判」の後継機「だるま猫」がリリース。前触れから「猫de小判」+「巨人の星」+「マッハゴーゴーゴー」のゲーム性を合わせ持つ台との事で、大いに期待されていた事を覚えています。

リプレイ3連で必ず5or20GのにAT突入し終了後のチャンスタイムでリプレイを引ければ必ずAT20Gを引き戻す、チャンスタイムには1G or 4Gあり、4G間にリプレイ3連となったら「ジャックポットAT」=AT300が確定。更にAT中・通常時問わずベル3連でボーナス抽選。と、正にいいとこどりの事前情報で乗りに乗っているアリストクラートの新台ということもあり、かなりの大量導入されました。

アリストクラートの全部乗せ。ワクワクしながらいざ蓋を開けてみると・・・
意外にも反応はイマイチでした。色々詰め込んだ結果、削る所もあるわけで、その削った所が「核」だったのですね。野菜山盛り!チャーシューバカ乗せ!麺大盛り!だけどスープが少ない。そんな感じ。

というのもベル3連時のボーナス放出に状態の高低を付けた事でATに入っても解除しない事が多くあった。設定1の低確ベル3連時ともなると1/128という確率であった。高低は割と頻繁に移行するものの、小役連シリーズの「いつでもチャンス」が無くなってしまったのである。勿論、高確ともなればおおよそ1/2なので、ロングATとも絡めば爆発力は申し分ない。

しかしそもそも爆発力は求めていないファンは「なんか違う感」から稼働はイマイチで、「爆発力重視なら他の台を打つわ。」と何とも中途半端な結果となってしまったのでした。

私もその一人で、ハイエナもRTによる連チャンが無いので攻めどころが無くあまり打った印象はありません。

■ストリートファイターII
4号機最後期、711枚機やAT機が溢れ還りその危険性が危惧され始め5号機が噂されていた頃アリストクラートから大型タイアップ機が誕生した。

国民的格闘ゲーム「ストリートファイターII」とのタイアップ。液晶搭載が当たり前。全面液晶も出来始めた頃、超大型タイアップもまさかの「液晶無し・5リール」の伝統的なスタイルで挑んでいますね。
本機もそのゲーム性からじわじわと設置を増やしていった台です。右も左も爆裂機が並ぶ中、まさにオアシス的な存在でかなり打ち込んだ1台です。

A-600でありながらBIGは全設定共通1/240で成立し、それを即放出orRT潜伏に振り分け(REGは即放出)るのですが、RT潜伏の小役解除時における演出が神がかり的なんです。演出リールによる前兆と共に、出目によるチャンス目演出が搭載されていて、普段は1/130のチャンス目が前兆中は1/21となっている。この絶妙な出現率の差が「キテます感」をじわじわと煽ってくれるんですよね。

ボーナスを複数ストックする事は無く、1個のBIGのみ。設定差は「潜伏率」と「潜伏時の小役解除率」にあります。

小役後のチャンス目で「潜伏しちゃいました?」とか500ハマりからREG(1/240が引けてなかった)で設定的にはいいんだけど、出玉的にアウト!とにかく推測が楽しかったですね。
中程度の技術介入も程良くて、BIG中の「オヤジィ~」が気持ち良かったですね。

サウンドだけでなく操作音やコイン投入音等の効果音も非常に好みで長時間打っても飽きませんでした。全ての演出が絶妙なバランスで打てば打つほど味が出る。そんな台でした。

その一方で「時代遅れ感」から触らない人もおり、「好き」「嫌い」が両極端だった記憶があります。

出玉力こそ並程度でしたが、競争率が高くなく、割と簡単に高設定にありつけた事も高印象に大きく繋がっております。

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